長崎の風景を絵はがき感覚でパッケージにした
「長崎景観クルス」好評です。
“長崎景観クルス”
長崎くんち
今博多町『本踊』
クルス4枚入¥324 (税込)
148×100×20mm
ちょうどハガキサイズです。
令和元年取材
くんちの原点にこだわって「本踊」一筋
今博多町 本踊 いまはかたまち ほんおどり
諏訪神社の秋の大祭・長崎くんちは、1634年に遊女の高尾と音羽が小舞を奉納したことに始まります。その遊女たちが住んでいたのが今博多町。博多からの移住者の町で、当時は遊郭があったそうです。以来、今博多町は一度も欠かすことなく一貫して「本踊」を奉納し続けてきた伝統の踊町です。(令和元年7月取材)
華やかで、勇壮で、にぎやかで、そして異国情緒あふれる長崎くんち。鎖国時代、中国・オランダ貿易で財を成した長崎商人たちが、資金をつぎ込んで趣向を凝らした演し物を競い合ってきた歴史がありますが、その始まりは遊女2人の小舞奉納というごくささやかなものでした。今博多町はくんちの演し物が時代と共に移り変わっていくなか、その原点にこだわり続けて385年。今年も恒例の「本踊」を奉納します。
長崎港は昔、その形の美しさから「鶴の港」と呼ばれていたそうです。今博多町「本踊」の演目はそれにちなんで長唄「今日爰祭祝鶴舞(きょうここにまつりをいわうつるのまい)」。6人の踊り子が諏訪神社の秋の大祭を祝いに長崎港から飛んで来る鶴を表現したもので、羽に見立てた衣装をはためかせ、しなやかに体を反らして舞い踊ります。花柳寿々初師匠の指導は「唄や囃子に合わせてただ踊るのではなく、自分自身が鶴になりきることが大切」と。
「いやあ、私たちは踊りのことはよくわかりませんから、すべてお師匠さんにお任せしています」と言うのは自治会長・岡部栄一さん。「本踊」の場合、華やかな表舞台のことはプロに一任し、町の人たちは裏方に徹します。予算の管理も大変で「着物もですが、着付けも、化粧も、かつらもすべて京都からプロの方に来ていただくので、踊り手は6人まで。それ以上増やすと大変なことになりますから」と苦笑いです。
今はどこの踊町も世帯数の減少や少子化で、7年に1度の奉納も容易なことではありません。長崎市の元助役・宮川雅一さんも今博多町の自宅ビル1階をくんちの事務所として開放するなどバックアップ。「岡部ちゃん、お疲れ様。苦労はあるけど、やりがいがあるけん、よかっさい。なりたかゆうても、誰でもが踊町にはなれんとばい!」と後輩を励まします。これから稽古も本格化。そして10月7日、伝統の今博多町「本踊」がくんち奉納の口火を切ります。
今博多町に勤務する縁から素人でただ一人、師匠のお弟子さんたちに交じって鶴の踊りを舞う唐津真理子さん。「最初は不安でしたが、お稽古の積み重ねで少しずつ出来るようになると楽しくなってきて」と。